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巨大地震の被害想定を内閣府が発表
巨大地震の被害想定 最悪で死者はおよそ20万人と発表
北海道から岩手県沖の日本海溝や千島海溝沿いで巨大地震が起きた場合、
北海道と東北地方を中心に最悪でおよそ20万人の死者が出るという推計を
内閣府の中央防災会議が公表しました。
岩手県沖から北海道沖にまたがる「日本海溝・千島海溝」を震源域とする
マグニチュード9クラスの最大級の地震と高さ30メートル近い津波が起きた場合の被害想定
【最悪のケース】
冬の深夜に日本海溝を震源域とする地震が起き、すぐに避難する人が少なかった場合
日本海溝 | 千島海溝 | |
マグニチュード | 9クラス | 9クラス |
死者 | 19万9,000人 | 10万人 |
避難者 | 57万8,000人 | 24万4,000人 |
建物全壊 | 22万棟 | 8万4,000棟 |
経済的被害 | 約31.3兆円 | 約16.7兆円 |
積雪や路面凍結で避難に時間がかかったり、自治体などによる避難の呼びかけが滞ったりした
最悪の場合、最大29.7m(岩手県宮古市)の津波により北海道で13万7,000人、青森県で
4万1,000人、岩手県で1万人超など千葉県までの東日本の9道県で死者が出るなどとされました。
2階に取り残されるなどとして救助が必要な人は6万9,000人、負傷者は1万2,000人、
さらに寒冷地特有の被害もあり、津波から逃れても、その後に高台や屋外での避難が続くことで
低体温症への対処が必要になる人が4万2,000人に上ると想定されます。
経済的被害は、日本海溝の地震で約31.3兆円と試算され、このうち25.3兆円は建物22万棟が
全壊するなどした直接的な被害総額、残り6兆円は地震発生から1年間の生産減少や
サービス低下による間接的な被害総額とされました。
早めの避難と耐震化で被害は減らせる
津波避難ビルの整備や建物の耐震化を進めること、そして何よりも大きな地震が起きたら、
いち早く避難を始めることで、死者を8割減らせるとしています。
推計に関わった防災科学技術研究所の平田直参与は、「絶望してはいけなくて、じゃあどうしたら迅速に
避難できるかということを具体的に考えていって対策を進める必要がある。
そのための数字だと考えるべきだと」と平時の今できる備えの重要性を訴えられています。
また、「吹雪になってる時に津波が来た時に、それでもやっぱり逃げなきゃいけない。
その時にどういった装備で逃げるか、それを普段から準備しておくというのは
どうしたらいいかなということは、これを考えるきっかけに是非していただきたい」と
おっしゃっています。
津波堆積物の調査では、2つの巨大地震は直近ではいずれも17世紀に発生した痕跡が
見つかっており、300~400年間間隔で起きているとみられています。
作業部会委員の今村文彦東北大教授は、「いずれの地震も切迫している。地域住民や
地元自治体は、冬の発生時の逃げにくさを想定した避難訓練や寒さをしのぐ物資の確保など
一層の対策を急ぐ必要がある」とおっしゃっています。
南海トラフでは死者32万人超、首都直下地震では2万3,000人の被害が想定されており、
日本全国どこにいても地震被害への備えは必要です。
住宅が建っている土地の災害リスクを改めて考え、事前の備えやいざという時は
逃げることも選択肢として考えておくことが少しでも被害を減らすことにつながります。
建物の耐震改修を行い耐震性の向上を進めることも重要です。
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