地震の際の電気火災対策には感震ブレーカーの設置が有効です
日常生活に欠かせない電気ですが、地震が起きた際には出火の原因となってしまいます。
阪神・淡路大震災、東日本大震災の出火の6割以上が電気に起因しています。
地震による火災は、「発生直後の火災」と「数時間経って、停電が発生し、電気が復旧した後の
火災」があります。
地震発生直後の火災は、地震の揺れで電気ストーブなどの電気器具に洗濯物などの可燃物が接触し、
可燃物に着火するというケースが多くみられます。
停電復旧後の火災は、地震で停電が発生し、家具などの転倒により電源コードが破損。
電気が復旧し、通電後に電気コードがショートし、可燃物に着火するというケースが多いです。
東日本大震災における主な出火原因
出火原因 |
件数 |
火災内容 |
電気ストーブ |
9 |
屋内の落下物等がスイッチに触れ、点火し、そばの可燃物が出火 |
配電用変圧器 |
5 |
変圧器内の接触部が緩み、発熱し出火 |
鑑賞魚用ヒーター |
3 |
水槽が転倒し、ヒーターが衣類に触れ出火 |
ガステーブル等 |
2 |
棚が倒れ、スイッチに触れ点火。棚の上のタオルがコンロ部に落下して出火
|
白熱灯スタンド |
2 |
スタンドが倒れ、布団に触れ出火 |
その他 |
11 |
電気コンロが落下し、スイッチが入り、床板から出火 |
合計 |
32 |
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出典:東京消防庁まとめ「平成23年東北地方太平洋沖地震に起因する火災一覧」
日ごろからできる対策
日ごろから次のようなことに気をつけ、地震が起きた際に、火災が起こらないように前もって対策しましょう。
・不要な電気機器のプラグを抜く。
・洗濯物やポスターなど可燃物が電気ストーブなどに落下しないように位置などを気をつける。
・分電盤が住宅内のどこにあるか確認し、周囲を片付けておく。
・電源プラグにほこりがたまらないようにする。
・テレビや冷蔵庫などの大型電気製品は、倒れないように固定する。
・テレビのそばに水の入った花びんや水槽などを置かないようにする。
(テレビに水がこぼれると、漏電や発火の危険があります)
・消火器や住宅用警報器を設置する。
【電気ストーブの対策】
・電気ストーブのそばで洗濯物を乾かさない。
・外出時や就寝時には必ず電源を切る。
・転倒状態で確実に電源が切れる電気ストーブを選ぶ。
揺れがおさまったら火災を防ぐ行動を!
・使用中の電気機器の電源を切る。
・電気機器が安全に使用できるか、電源コードが切れたりしれいないか確認する。
・外に避難する時には、分電盤のぶれーかーを切る。
・ガスの元栓を閉める。
地震による電気火災を防ぐには、感震ブレーカーの設置が有効です
「感震ブレーカー」とは、設定値以上の揺れを感知すると、自動的に作動し、分電盤やコンセントの
電気供給を止める器具です。
自宅にいない場合や、地震で家具などが倒れ、分電盤のブレーカーを切れない場合などでも
「感震ブレーカー」を設置すると、自動的に住宅内の電源供給が停止し、火災を防ぐことができます。
感震ブレーカーの種類
①分電盤タイプ(内蔵型)6万~10万円程度(工事費含む)
分電盤に内蔵されたセンサーが揺れを感知すると、3分間警報音が鳴り、その後自動的に
ブレーカーが切れ、住宅内の電気を遮断。
②分電盤タイプ(後付型)3万~5万円程度(工事費含む)
分電盤に感震機能を後付けするタイプで、センサーが揺れを感知すると、3分間警報音が鳴り、
その後自動的にブレーカーが切れ、住宅内の電気を遮断。
③コンセントタイプ 1万5千円程度(工事費含む)
コンセントに内蔵されたセンサーが揺れを感知し、自動的にコンセントの電気を遮断。
電気ストーブや鑑賞魚用ヒーターなどに接続した個別のコンセントの電気を遮断できる。
住宅内全体の電気を遮断しないため、医療機器を使用している世帯も使用可能。
④簡易タイプ 工事不要 3千円~4千円程度
揺れを感知すると、分電盤に取り付けたばねや重りが作動して、ブレーカーを落とし、すぐに
住宅内の電気を遮断。アース付きコンセントにさすタイプなどもあり。5千円~3万円程度。
自分で取り付けることのできる「簡易タイプ」の感震ブレーカーは、世田谷区民および区内在勤の
方を対象に、あっせん価格で購入できる商品もあります。
あっせん商品や設置についてのお問合せ先
感震ブレーカーを設置した場合に次のことに注意しましょう
感震ブレーカーが作動すると、電気が止まり、住宅内の照明が消え、夜間は避難行動が妨げられる場合があります。
・事前に家具を固定し、避難経路を確保しておきましょう。
・医療機器を使用されている方は、停電に備えて、バッテリーや非常用電源を準備しておきましょう。